「産後クライシス」とはNHKの情報番組が造り出した言葉です。
その意味を手っ取り早く言うなら、
「結婚して二年以内に夫婦間の愛情が冷め切ってしまうこと」
をいいます。
最悪は離婚にも繋がる深刻な状態ですが、全ての夫婦が産後クライシスを体験するわけではありません。
今回は、そんな産後クライシスにならなかった人のポイントの話です。
産後クライシスにならなかったポイントとは?
産後クライシスには、いくつかの原因があります。
産後の体調不良
出産という命懸けの一仕事を終えた女性は、体が復調する暇も無いまま、今度は子育てという大仕事に突入しなければなりません。
当然ながら疲労の度合いは相当なものになります。
ホルモンバランスの崩れ
妊娠に対応したホルモン分泌が出産によって終わり、急激なホルモンバランスの崩れが精神的な不調を引き起こします。
制御できない生理現象ですが、時間と共に落ち着きます。
産後うつの発症
産後うつは出産後の2~3週間ごろから発症する場合が多く、中には数ヶ月経ってから
発症する人もいます。
症状は一般的なうつ病とほぼ同じもので、完治には1ヶ月以上かかる場合が多く、長期化することもありますので、早めの対応が必要です。
夫の育児不参加
家事や子育ては女の仕事という認識、もしくは単なる理解不足から、夫である男性が全く
育児参加を行わないことで妻のストレスが積み重なります。
取り返しの付かない形で爆発するというのはよく聞く話です。
特に女性は産前産後時のトラブルは決して忘れないので、それを忘れてしまった男性に対する恨みは生涯にわたる根深いものになります。
つまり、産後クライシスにならなかった女性というのは、
・上記の原因に当たる要素が少なかった
・上記の原因を解決できる手段があった
・初めから原因が発生しなかった
このうちのどれかなのです。
これは日頃の体力、体質、環境に加えて運も良かった非常に素晴らしいケースと言うべきですので、心よりおめでとうの言葉を贈ります。
なんで産後クライシスになっちゃうの?
先ほどもご説明しましたが、産後クライシスに似た言葉に、産後うつがあります。
これは出産のために仕事を退職したり、未婚の友人と話が合わなくなった女性が、社会から取り残された上に、自分の積み上げてきた全てが崩れ去ったような焦燥感や無力感に陥るなど、様々な要因から、うつを発症してしまうことです。
前段階のマタニティブルーズと呼ばれる不安定な精神状態の女性に対しては、夫である男性のサポートが欠かせません。
例えば、
・食事や着替えの用意を妻に頼り切らない
・お母さんの代わりに赤ちゃんの面倒をみてあげる
・感情的な言葉に対しても感情で返さない
・小まめなコミュニケーションを絶やさない
ただ初めからここまで考えられたり覚えたり出来るお父さんは数少ないと思います。
やって欲しいことだけでなく、絶対にやって欲しくないことも一緒に文章化して読んでもらい実行をお願いしてみましょう。
ちなみに「そんなことをしなければいけないのか」と渋った場合、今後の為にも夫に対する有力者にイヤというほど説得してもらうなど、速やかなる対応を行うべきです。
まとめ
産後クライシスを体験しないで済んだ女性は、自ら小まめな体調管理と不調への対応を行い、さらに夫を始めとする周囲の協力から、精神状態の悪化を防ぐことができたと言う人が多いです。
それを「運がよかった」の言葉で片付けようとする人もいるかもしれませんが、その運は間違いなく努力の末に呼び寄せ、掴み取ったものです。
だから、きっと今後起こりうるクライシスに対しても、ぜひ家族一丸となって乗り越えて欲しいと思います。