家庭菜園に興味はあるけど、専用の道具をそろえたり毎日お世話したりするのは大変なんじゃ?と、ためらってしまう人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが「椎茸(しいたけ)の栽培キット」です。
植物ほど手間もかからずに収穫でき、新鮮な椎茸が食べられると人気のキットなのですが、意外と知られていないようですね。
今回は椎茸の栽培キットに関するアレコレを調べてみました!
ホームセンターで買える椎茸栽培キット!
椎茸の栽培キットには原木タイプと菌床タイプの2種類があります。
原木タイプはナラやクヌギなどの木に椎茸菌を埋め込み、原木を培養地として栽培しますが、湿度管理や安定栽培が難しいのが特徴です。
原木、つまり丸太を置く場所も必要になるので、手軽に挑戦したい初心者には菌床タイプがおすすめです。
菌床栽培の育て方
菌床栽培は、おがくずに養分を含ませた「菌床」と呼ばれる培養地に椎茸菌を散布し、栽培容器に入れて育てる方法です。
ホームセンターなどで売られている商品はほとんどがこのタイプ。
10日ほどで収穫できる手軽さが魅力のひとつになっています。
菌床キットは、梱包を解いてから水洗いした(夏季は30分ほど冷水に浸ける)のち、付属の栽培袋や栽培容器に入れて、1日1~2回程度霧吹きで水やりをするだけ。
おおよそ5日程度で最初の収穫が望めます。
収穫後は容器に戻して2週間ほど休養→浸水→収穫→休養……を繰り返し、栽培キットの種類にもよりますが、2、3回収穫ができるようです。
椎茸が発生しなくなった菌床は肥料として使用できるのもいいですね。
原木栽培の育て方
もっと本格的に栽培したいという人は、原木栽培に挑戦してみましょう。
ちなみにプロの生産者が行う原木栽培は、適度に乾燥させ水分を抜いた丸太に穴をあけ、椎茸菌を詰めていくのですが、初心者には難しい作業ですよね。
なので、自宅の庭やベランダなどでも栽培できるキットとして、あらかじめ菌を含ませた原木セットが販売されています。
栽培キットを開封したらまず、ホダ木を水に浸す「浸水作業」を行います。
付属のビニール袋にホダ木を入れ、16℃以下の冷水を注いで全体がすっぽり浸るようにたっぷり注いでください。
ホダ木に水を吸わせたら木を取り出し、浸水作業に使用したビニール袋を、水滴が多少残ったまま被せて直射日光が当たらない場所で保湿します。
ビニール袋の内側に水滴が残る程度に霧吹きで水を与えると、2日から1週間程度で芽が出てきます。
夏は菌が上手く発生しなくなる場合があるので、温度管理には注意しましょう。
また、生育には酸素が必要になりますので、乾燥には気を付けながらビニール袋で密閉しないよう注意してください。
芽が出たらさらに1日数回、芽が白く乾燥しないように霧吹きで水をかけ、芽が親指の大きさくらいになったところでビニール袋を外します。
さらに7~15日程度育て、好みの大きさになった時点で収穫しましょう。
収穫後は菌床栽培と同じく「休養」が必要です。
ホダ木を3~4週間ほど湿度のある15~25℃の場所で休ませ、乾燥しないように水をかけたりビニール袋で保護したりして、動かさないようにします。
休養後は再び浸水させ、同じ手順で発芽させていきましょう。
最低気温が18℃以上になると椎茸が発生しにくくなるので、繰り返し収穫ができるのは5月くらいまでだと思います。
どちらのタイプも、必要なアイテムや説明書が同梱されているので、あとは霧吹きを用意するくらいでOKです。
直射日光が当たらない涼しいところで栽培しますが、温度管理が重要なので栽培するなら秋がおすすめです。
原木栽培は自然栽培に近いため、味はもちろん香りや肉厚感が優れ、手間がかかる分収穫できた時の喜びはひとしおです。
ただ扱いが難しく、失敗する確率は菌床栽培より高いので、初心者には菌床キットがおすすめです。
椎茸栽培キットを買ったら?上手に栽培するコツ!
どの栽培キットにも書かれていますが、購入後すぐに栽培を始めるのが最大のコツです。
出荷の時点で椎茸の菌が発生する条件を整えているので、開封したらすでに椎茸がいっぱいついていた、なんてこともあるようです。
買ったまま温度管理せずに放置しておくと、芽が出ない可能性もあるので、購入後すぐに開封できない場合は涼しいところに置き、2、3日以内には栽培を始めましょう!
また、温度管理も上手に椎茸を育てるコツのひとつです。
原木、菌床どちらのタイプも、数サイクルの収穫が可能なようですが、18℃以上の場所では発芽しにくくなってしまいます。
とくに菌床タイプは室内で栽培するケースがほとんどだと思われるので、夏場はもちろん、冬でも暖かくなってしまいがちです。
室内で育てる場合は注意が必要です。
水やりを怠けてしまうと乾燥したり成長が止まってしまったりするので、そちらも注意しましょう。
秋の味覚は自分で収穫した椎茸で!
実はスーパーで売っている椎茸も、そのほとんどが菌床栽培によるもの。
だから一年中安定して供給できるわけですね。
ですが、同じように菌床栽培で収穫した自家製椎茸とスーパーで購入する椎茸、大きな違いは「鮮度」です。
一度自分で収穫した椎茸を食べると、売られているものは口にできないという人がいるほど、味や香り、食感に違いがあるようです。
とれたてのみずみずしい椎茸、気になりますよね!
一度味わってみてはいかがでしょうか?