冬のイベントはたくさんありますが、12月のお楽しみイベントのひとつは、なんといってもクリスマス!
クリスマスといえば、イブの夜にはサンタがよい子にプレゼントをくれる、または恋人同士にとってはロマンチックなイベントというイメージが強いです。
でも、クリスマスの本当の意味ってご存知ですか?
キリスト教の行事でしょ?
イエス・キリストの誕生日じゃなかったっけ?
いえいえ、全然違うんです!
今回はクリスマスについて調べてみましたので、その起源や由来、歴史をご紹介します。
そもそもクリスマスって?
クリスマスとは本来、キリスト教の「降誕を記念する祭日(降誕祭)」となっています。
ちょっとわかりにくいですが、イエス・キリストの誕生日でなく、イエス・キリストが生まれた(降り立った)こと自体をお祝いする日なんです。
現在ではキリスト教の祭事とされていますが、もともとはミトラ教の「冬至の祭り」が起源だといわれています。
冬至は日が長くなる日のこと。
「光(太陽)がよみがえる日」とされていたため、キリスト教の光であるイエス・キリストを指して「光=イエス・キリストがよみがえる日」=「降誕祭」になりました。
キリスト教はほかの宗教を飲み込んで広まっていった歴史があり、もともとはほかの宗教を融合するためにクリスマスが行われるようになったようです。
しかし、クリスマスの起源は古く、4世紀の初めころから冬至祭を転用するかたちで始まります。
もともと、ユダヤ教、ローマ帝国、キリスト教の暦では日没が一日の区切りになっているので、12月24日の日没から12月25日までがクリスマスにあたるのです。
そのため、現在の暦では前日のクリスマス・イブからクリスマスまでが祭日になりました。
どうしてイブ(前夜)も祝うんだろう?と不思議に思っていましたが、納得ですね。
現在は多くの国がグレゴリオ暦を採用していますが、ユリウス暦を使用しているところでは、グレゴリオ暦の1月7日にあたる日がクリスマスとなっています。
筆頭はロシアですが、1月7日のクリスマスは降誕祭というよりも、新年をお祝いする意味合いが強いようです。
サンタクロースの起源は?
クリスマスにかかせない存在のサンタクロースですが、サンタクロースは実在の人物がモデルとされています。
4世紀のトルコあたりのミラという都市の司教であった「聖ニコラオスの伝説」が、サンタクロースの起源。
17世紀に移民したオランダ人が「聖(セント)ニコラオス」を「シンタクラース」と伝え、それが「サンタクロース」となったといわれています。
ちなみに、ギリシア語では「ニコラオス」、ラテン語では「ニコラウス」、イタリア・スペイン・フランス語では「サン・ニコラ」、ロシア語では「ニコライ」という表記になります。
聖ニコラオスの命日が12月6日であることから、オランダではクリスマスとは別に「聖ニコラオスの日」という祝日があり、子どもたちにプレゼントを贈る習慣があるそうです。
聖ニコラオスの伝説には、たくさんの人々を救ったという逸話が数々あるそうで、煙突からサンタさんがやってきて、靴下にプレゼントを入れる、というのもそのひとつ。
貧しさのあまり、三人の娘を身売りしなければならなくなった家族を知ったニコラオス。
その家に金貨を投げ入れたのおかげで娘を身売りしなくてすんだ、というのが元の話ですが、投げ入れた金貨は暖炉のそばに干してあった靴下に入ったのだとか。
この逸話が、皆の知るサンタクロースのエピソードにつながっているのですね。
クリスマスは宗教と商戦の組み合わせ!?
クリスマスという概念は古くからありますが、今日のクリスマスとはだいぶ意味合いが異なります。
クリスマスが現在のように、家族や友人、恋人間でプレゼントを贈りあう習慣になったのは、クリスマス商戦が絡んでいます。
サンタクロースももとは司教の姿が一般的でしたが、白髭に赤色の服を着たおじいさんがコーラの瓶を配る企業ポスターがきっかけで、現在の姿が定着するようになりました。
日本では、1900年代から活発になってきたクリスマス商戦が発端でしょうか。
最近ではイースター(復活祭)やハロウィンも浸透してきていますが、これらもやはり商戦の影響。
これは、クリスマスには教会へ、除夜の鐘を聞きに寺社へ、初詣には神社へ行くという、宗教にこだわりの薄い日本ならではの現象かもしれませんね。
一年を通してさまざまなお祭りやイベントが行われる日本ですが、一度それらの起源や歴史を調べてみると、さらに深く楽しめるものになりそうです!