例えば一戸建てから引っ越して、マンションなどの集合住宅で暮らし始めたとしますと、
当然ですが、今までとは違って同じ建物で暮らしているご近所さんに対する特別な配慮が
欠かせなくなります。
その結果、場合によっては、以前は当たり前のように行っていた家事も、ルールが変わったことにより出来なくなる場合があります。
そして実は、布団叩きも、そんな風に配慮するべき項目の一つとなることが多いのです。
布団叩きは近所迷惑?
庭やベランダを持つ戸建ての家ではごく有り触れた、実に微笑ましい光景ですが、実は、
これを集合住宅で行うと、いくつかの問題が発生してしまいます。
まず、少しの音でも響いてしまう集合住宅では、布団を叩く音そのものが騒音と認識されて
しまうことが多いのです。
布団を干すような時間に眠っている赤ちゃんや、仕事の関係で休んでいる人にとっては非常に迷惑となるでしょう。
また、布団を叩いている際に発生するホコリも問題になります。
あなたが楽しく布団を叩いた結果、隣や階下の部屋の洗濯物がホコリをかぶる事、窓を開けて換気をしていたお宅の室内にホコリが舞い込んで思わぬ迷惑をかける可能性などを、常に考えなければなりません。
また、入居の際の条件で最初から布団叩きが禁止されている場所も、最近は増えている
ようです。
その辺は、しっかりと確認を取っておきたいものですね。
その布団叩きって本当に必要?
ところで実は、布団叩きは非常に布団を痛める行為だと、ご存じでしょうか。
布団を強く叩くことによって中の綿が千切れ、結果として布団の柔らかさが損なわれ、
寿命も縮むのです。
表面のホコリを処理するだけなら、ほうきで払うだけで充分ですし、中のホコリもどうにかしたいと思われる方は、専用の掃除機を使うのも手段の一つです。
ちなみに最近は、ダニ対策の布団干しカバーなるものも販売されていまして、黒い
専用カバーに布団を入れて天日干しすると、中にこもった熱が布団のダニを全滅させて
くれるのだそうです。
ただしダニの死骸はアレルギーの原因となりますので、やはり専用の掃除機できちんと吸い取る必要があるようですね。
ついでにもう一つ、可能性として頭に入れておきたいのは、高層建築の場合、布団のような
大きな洗濯物がベランダから落下すると、状況によっては付近を歩いていた通行人や
階下の人間などに、思いもかけない被害を出してしまうことです。
それを考えると、安全の為にもベランダに布団を干すのは控えた方が良い場合もあるでしょう。幸い、最近は布団乾燥機の性能も向上しているので、予算や目的に応じたものを自由に選べます。
なお、実際に布団乾燥機を使っている友人に聞きますと、干すより手間がかからないし、
飛んでくる花粉やホコリの心配もないので快適という答えが返ってきました。
まとめ
集合住宅のように、別々の家庭が同じ建物に暮らしているなら、各家庭では、なるべく
お互いがストレスを感じないで暮らせるように、それぞれ相応の気配りを行うことが、
どうしても必要になります。
そして残念ながら、その為に今まで暮らしていた場所では普通に出来ていたことが、
出来なくなってしまうこともあるでしょう。これは多分、布団叩きに限ったことではないと思われます。
業に入っては郷に従えという言葉がありますが、住宅事情の厳しい環境で暮らす場合は、
なるべく周囲の環境に配慮しながら暮らして行きたいものですね。
また、そのような配慮を行いながら周囲と円滑な近所関係を築くことは、きっと、
あなたの家庭にとっても、住み良い環境を造り上げる為の助けとなる筈ですよ。