一度かかると、なかなか治ってくれない夏風邪…
喉の痛みや咳、発熱でせっかくの夏を楽しめないなんて、つらいですよね。
でも、そもそもどうして夏風邪って、あんなに長引くんでしょうか?
その原因は、ウイルスの特性にあったんです!
夏風邪がなかなか治らない原因とは?一体何なのか知りたい!
風邪、とひとくくりにいっても、実は風邪のウイルスって、季節ごとに変わってるんです!
そして、夏風邪を引き起こすウイルスはおおよそ三種類といわれています。
ひとつめは、「アデノウイルス」…発熱や胃腸の不調を引き起こします。
ふたつめは、「エンテロウイルス」…発熱、喉の痛みなどを引き起こします。
そして三つめは、「コクサッキーウイルス」…食欲不振、発熱、喉の痛みを引き起こします。
なんだか、名前の字面だけでも体がだるくなってきそうです…
この三つのウイルス、なんと効果的な薬がなく、抗生物質も効かないという厄介なもの。
このウイルスを倒すにはこれ!という薬がないので、喉の痛みをしずめる薬や、発熱を抑制する薬を飲むなど、対症療法をしつつ、自分の体の免疫でウイルスを体外に出すしかないんです。
とはいえ、夏場は睡眠不足や暑さなどで体力が免疫力が落ちがち…
さらに、夏風邪のウイルスは、湿度が高いところを好むため、お腹の中で増殖するという特性を持っています。
なので、お腹からウイルスを体外に排出しないといけいないのですが、三つのウイルスのうちのひとつ、「アデノウイルス」は胃腸の不調を引き起こすため、肝心の胃腸がダウンしてしまい、ウイルスの排出がままならないという状況に…
まさに悪循環です。
このようにして、夏風邪は治りにくく、ずるずるといつまでも続いてしまうのです…
夏風邪の治し方をご紹介!夏風邪に潜む病気のサインとは?
治らないまま夏風邪が悪化してしまうと、「風邪」から「病気」に変わってしまうのも夏風邪の特徴です。
アデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスは、厄介な病気を引き起こす菌なのです!
アデノウイルスはプール熱、エンテロウイルスは手足口病、コクサッキーウイルスはヘルパンギーナを、それぞれ発症するおそれがあります。
中でもヘルパンギーナは、生後間もない赤ちゃんに感染すると命の危険もある恐ろしい病気だとか…
こじらせるととっても怖い夏風邪を少しでも早く治すには、三つのウイルスに対抗するための免疫力をつけるのが大事です。
免疫力をつけるために大事なことは…
睡眠を充分にとること
連日続く熱帯夜などで、夏は眠りにくい夜が続くものですが、空調などで部屋の温度を調節し、しっかりとした睡眠をとるようにするのが大切です。
「熱が出てるから空調の温度は低めに!」
「寒気がするから空調の温度は高めに!」
などなど、色々気がかりがあり悩むところですが、低すぎる温度設定は胃腸によくありませんし、高すぎる温度設定は脱水などの症状を招く危険性があります。
心地良い、と思える温度を保ちましょう。
水分をとること
夏場の発熱で最も危ないのが脱水症状です。
熱を下げるためにも水分は不可欠ですので、なるべく多めの水分をとりましょう。
ただ、冷たいジュースは胃腸への負担になってしまいます…
飲むのは、ミネラルウォーターやスポーツドリンクを常温にしたものを!
お腹に優しい食事をとること
夏風邪の三つの菌を頑張って排出しようとしている胃腸のために、うどんやおかゆなど、消化しやすいものを食べるようにして、胃腸を助けてあげましょう。
また、うどんやおかゆは柔らかいので、炎症している喉を刺激せず食べることができます。
自律神経を整える
免疫力が低下するのは、自律神経が乱れていることも原因のひとつ。
夏のお風呂は湯船に浸からずシャワーですませちゃう!という方も多いのですが、自律神経を整えるには、ゆっくり湯船に浸かり、リラックスする時間を持つことが大事です。
睡眠をとり、優しい食事をとって、ゆっくり体を休める。
それでもなかなか治らない…むしろだんだん悪化してきたかも…
そんな状態になっている場合は要注意です。
症状が風邪っぽいから夏風邪かな?と思いきや、実はとんでもない病気かもしれません。
症状が夏風邪に似ているため、気づきにくく悪化してしまう病気がいくつかあります。
マイコプラズマ肺炎、細菌性肺炎、髄膜炎などが主な病気です。
どれもとても危険な病気ですので、おかしいな?と思ったら、すぐに病院にかかりましょう。
まとめ
夏風邪が長引くのは「抗生物質が効かない」「お腹の中で増える」「免疫力が低下する」、この三つが主な原因でした。
たかが風邪、とひとくくりにしてしまいがちですが、なかなかウイルスも巧妙な手口を使ってくるものです。
しかしそんなウイルスに負けないように、風邪かな?と思ったらなるべく早く病院にいって、体を休めて、ウイルスたちにお腹から出て行ってもらいましょう!