お正月が近づくと頭が痛くなる悩みのタネがあります。
それはお年玉……
もらう側としてはドキドキわくわくなことでしょう。
しかし、お年玉を渡す側としてはなんとも複雑な気持ちなんです。
喜んだ顔はうれしいけど、オトナとしては年末年始にかけて予算がきびしい…
そんな複雑な気持ちはひとまず置いておいて、そもそもなぜ、お年玉という習慣があるのか気になりませんか?調べてみましょう。
お年玉はいつから始まった?
1年の終わりも近づく12月の下旬、子どもたちにとって、楽しみにしていたクリスマスという一大イベントが終わり、すっかりテンションが下がり気味・・・
かと思いきや、次は早く新しい年がやってこないかな、とわくわくしています。
なんてったって、元旦にはお年玉がもらえるから!!
みんな子どもの頃はそうでしたよね。
当たり前のように親戚のおじさんたちからお年玉をもらい、オトナになった今は当たり前のように親戚の子どもたちにお年玉を渡す。
そんなお正月の光景がもう何十年続いているでしょうか。
しかし、お正月の伝統文化とも言える「お年玉」の由来、いざ聞かれるとちゃんと答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。
ただ単に「お金がもらえた!ラッキー!!」ではないのです。
「お年玉」とは、その年の幸運を運んでくれる歳神(としがみ)様から、新年の魂を分けていただくもの、なんだそう。
歳神様の御魂(みたま)が宿ったとされる歳神様に供えた鏡餅の餅玉を、家長が家族に配るというところにあるようです。
このことからお年玉は「御歳魂」と書かれていたようです。
ほかにも「玉」には「魂」の意味があることから、鏡餅が丸いため「玉」となった、年初めの賜物(たまもの)から「玉」になったなど、諸説あります。
ただ、いずれの説も歳神様に由来しているようですね。
歳神様は、その年の幸運を運んでくれる神様。
お正月のさまざまな伝統行事はいずれも、歳神様をお迎えし祀るためのものなので、お年玉がお正月に配られるのもそのためなのです。
元旦に渡すお年玉のルール
お年玉は、目上の人から目下の人に贈るものということを除いては「誰が誰に」「何歳から」「何歳だと金額はいくら」などといった正式なルールはありません。
そもそもお年玉はお金を贈るのではなく、お餅を配ることから始まっているので、お金でなくてもいいのでしょう。
諸説ありますが、戦後の高度成長期、日本が裕福になり始めた頃から「お年玉=お金を贈る」となったと言われています。
ですから、お金を贈ることは何百年も続く伝統というわけではないのですが、やはり相手に贈る気持ちを考えると、ある程度のマナーを心得ておいた方がよさそうです。
以下の3点は留意しておきましょう。
ポチ袋や祝儀袋に入れる
袋の表書きは 「お年玉」→その下に自分の名前→左上に贈る相手の名前
できるだけ新札を入れる
また、訪問中のお宅に思いもよらず子どもがいた場合など、急に渡すことになることがあるかもしれません。
その場合、お金をそのまま渡すのではなく、紙などに包んで渡すのもマナーです。
少し判断が難しくなりますが、渡す相手が上司のお子さんの場合はどうなるでしょうか。
相手が子どもであっても、その親は自分の上司です。
そんなときは表書きに「お年玉」とはせず、「文具代」「玩具料」のように書く、子どもが高校生くらいであれば「お年賀」と書いてもよいでしょう。
あくまでもお年玉は「目上の人」から「目下の人」へ渡すものです。
このルールさえ守っていれば大きな失礼はないでしょう。
オトナになってもお年玉はうれしいもの
いつの間にかお年玉がもらえなくなって、子どもの時代が終わったことを自覚するようになり、さらにはお年玉を渡す側になると、本当に歳をとったなぁとしみじみしちゃいますよね。
ですが、オトナにだってお年玉があるんです!
お年玉くじ付き年賀状や、年明けのショップで見かける「お年玉セール」!
……ちょっとむなしい気もしますが、どんな形でも「お年玉」って言葉にうれしくなれるんですから、子どもはもっとうれしいはずです。
来年も子どもたちの喜ぶ顔が見られると思うと、頑張ろうって気持ちになりますよね。
今度お年玉を渡すときは、お年玉の由来をお話ししてみるのもいいかもしれません。