洋室が家の間取りのほとんどを占めるようになった現代、座布団を使う機会は減ってきています。
だからこそ、たまに親戚が大勢集まる機会があると座布団の扱いに困ることも。
座布団を並べておくのに決まりってあるの?
房飾りは上に出しておくもの?
それとも裏返すもの?
座布団って正方形だけど、前後って決まってるの?
そのときになって困らないために、座布団についての知識を持っておきましょう。
座布団の裏表と前後はこうやって見分ける!
裏表
まず房飾りがついているもの。
これは房飾りがついている方が表になります。
両方に房飾りがあったり、房飾りのない座布団のときは座布団の縫い目を見てください。
縫い目が上から覆いかぶさっている方が表になります。
ただし、世の中には「体に触れない方が表」とする考え方もあります。
これは着物の考え方で、着物は外から見える方が表、内側の肌に触れている方を裏と呼んでいます。
けれども座布団は、人が座る方の面が外から見える面ですので人が座る面を上にして置くのがよいでしょう。
前後
座布団は縫い目のない辺が前になります。
座布団は長方形の布を袋状に折って、縫い合わせて作られます。
なのでコの字型に縫い目があり、一辺だけ縫い目のない辺ができます。
正面に座った人から縫い目が見えないように置いてください。
また、座布団がカバーをかけられていることがあります。
ファスナーのついたカバーの場合、ファスナーを後ろに回して、見えないように置いてください。
「口が開く部分を見えないようにする」と覚えましょう。
座布団に座るときのマナーとは!?
まず、座布団は直接足で踏んではいけません。
座るときも、座布団から降りるときもです。
これだけで「マナーのない人」ということになってしまうので、まずここから心がけましょう。
座るとき
座るときは、すぐに直接座ることはしません。
まず座布団の下座側に座ります。
下座は入り口に近い方か、左側です。
座布団の横か後ろに正座します。
そして両手を座布団の正面の両端につきます。
体重をかけるので、手のひらだと辛い人はこぶしを作ってください。
ついた手を支えにして、膝を浮かせ、座布団の上に乗ります。
中心に乗ったら体を正面に向けてください。
一度に中心まで行く必要はないので、何度かに分けてにじり寄るように乗ります。
座布団に座るときは基本的に正座です。
「足を楽にしてください」と言われるまでは、正座を崩さずに座りましょう。
足の指先を座布団の端に置くと正座で足がしびれにくくなるそうです。
正座が苦手だという人は試してみて下さい。
下りるとき
まず、膝をつけたまま腰を浮かせ、つま先を立てて一旦そこに腰を下ろします。
次に下座側の足を後ろにずらし、そこに上座の足を合わせます。
数回繰り返して、座布団から完全に降りてから立ち上がってください。
後から目上の人やご主人が来た際は、座布団から一旦降りて挨拶をします。
そのときも焦らず、数回に分けて足を下ろし、座って挨拶をしてください。
相手より腰が高い位置にある挨拶は失礼にあたります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
いざ正式な場で座布団に座ることになったとき、焦らずにマナーを守って座布団を使えるよう
事前に確認しておきましょう。
また、座布団の前後や裏表について知っておくと「いい旅館」を一発で見抜くことができます。
客室や宴会室の座布団を、裏表と前後きっちり合わせているならその旅館の従業員はきちんと教育されていることになります。
座布団の前後や裏表は、知った上でちゃんと見ていなければわからないものです。
宿泊客もそこまで見ている人はほとんどいないでしょう。
気付かれるかどうかもわからないところまで整えている旅館はホスピタリティに力を入れた、いい旅館だと言えます。
座布団だけで旅館の質を決めることはできませんが、これができている旅館のサービスは
期待してもいいかもしれませんよ。