何気なく座る座布団。
実は正方形じゃないことはご存知でしたか?
どこを見ても正方形にしか見えない座布団。
いったいなぜ正方形じゃないのか、むしろ本当に正方形ではないのか?
では、大きさと正方形ではないその理由を見ていきましょう!
座布団が正方形じゃない理由とは?
そもそも一般的な座布団は本当に正方形ではないのか?
長方形である証明を少し…。
座布団の大きさは
- 緞子判や正絹版…63×68cm
- 八端判…59×63cm
- 銘仙判…55×59cm
- 木綿判…50×54cm
と種類によって違いがありますがこんな感じです。
ここで気づいたことが…そう、微妙に大きさが違いますよね?
だいたい縦横で5センチほどの違いがあります。
なので、座布団は正方形ではなく長方形です!と言い張れるんですね。
では、なぜ長方形なのでしょうか?
理由の一つとして、正座をしたときにきれいに足が納まるように長方形にしたということがあげられます。
確かに、人間が正座をした状態を上から見たときに、きっちり正方形におさまる方ってそうそういないんですよね。
太ももとひざ下の長さが違う人の方が多いんです。
また、足の裏の長さやお尻の長さ(大きさ)も個人差があるので、座布団の形が長方形の方がしっくりくるということなんですね。
あまり意識はしませんが、人間工学に基づいて導き出した『数センチの違いの長方形』という形なのでしょう。
昔の人はよく考えましたねー。すごい。
ちなみに、テレビでおなじみの笑点。
あの番組にも座布団が登場していますが、もちろんあの座布団もちゃっかり長方形。
なぜかというと『長年の経験から形、大きさ、重さがすべて絶妙になるよう導き出されたのが現在の長方形の座布団』ということだそうです。
確かに師匠たちも大事ですが、座布団もメインのような番組ですし、きちんと考えられているんですね。
ちなみに、正方形よりも長方形の方が積み上げたときに綺麗に重なるそうです。
確かに、座布団10枚を重ねるのはとっても大変です。
それを上手にかつ綺麗に見せるための改良なのでしょう。
座布団はどちらを前にすれば良い?
どの面も同じように見える座布団。
実はちゃーんと前後があるんです。
「座布団の前後なんてわかんないよ!」なんて思ってしまいそうですが、見分け方は簡単です。
座布団の4辺のうち、3辺には縫い目があるのはお気づきでしょうか?
これは、座布団をつくる際に必要な工程。
長い布を折りたたんで両端を縫う→空いている口から綿を詰めて口を縫うという工程なのです。
残りの1辺が縫い目のない部分。
折り目の部分ですね。
「わ」と呼ばれる部分なのですが、そこが正面になるんです。
相手から見て、美しい方が正面ということですね。
確かに縫い目が見えてしまうと気になるかも…。
お客さんに出す際や、自分で座布団を使用する際は顔の向いている方向に「わ」が来るように置いてくださいね。
また、座布団には前後のほかにも裏表があるんです。
中央に閉じ糸の房がある方が表とされています。
しかし、実際は表も閉じ糸の房があるものがほとんど。
なので、最近ではどっちも表とされているみたいです。
今まで何も考えずに座布団を出していた方も、これを気を付けて座布団を出すと「お、よく知っている人だなぁ」なんて評価があがること間違いなし!
座布団が正方形ではない理由まとめ
いかがでしたか?
ぱっと見ではわからない大きさの違い。
でも、正方形ではないことにもきちんと理由があるんです。
最近では座布団を使う機会がかなり減ってきているので、座布団の知識を知っている人も少ないみたいですね。
なので、これを知っているだけで、この子は作法がしっかりしているなんて言われることもあるかも!?