夏になるとよく見かける、「納涼会」という文字。
職場での「納涼会」という飲み会だったり、町内での「納涼大会」というお祭りだったり…
同じ名前がついてるのに、開催内容は全然ちがいますね?
「納涼会」ってつまり、どういうことなんでしょうか?
納涼会の意味は?その目的や時期について詳しく解説!
まず、「納涼」とは…「納涼」とは、涼む、という意味を持っています。
平安時代の貴族たちは、夏の暑い時期を涼しい土地にある別荘で過ごしていたそうです。
水辺や林間などにある別荘で、夕方、涼しい時間を過ごす風習は、やがて江戸時代の頃に庶民にも伝わります。
庶民は、避暑地の別荘に行く代わりに川辺で花火を見たり、舟を浮かべてそこでお酒を飲んだり、神社で夜、お店を出す縁日を楽しんだりして、夏の暑い最中を楽しんでいたそうです。
平安時代の貴族たちの始めた別荘での涼みは、今では「避暑」と呼ばれ、庶民たちが始めた花火や舟でのお酒や縁日が、今では「納涼」と呼ばれるようになりました。
ざっくりいっちゃうと、暑い夏の盛りに、避暑地に行って涼しく過ごしたい!でも行けない!
そういう人たちが、“楽しいことをしたり、おいしいものを食べたり飲んだりして、暑さを忘れよう!”と始めたことなんです。
例えば、花火大会やお祭り、ビアガーデンでの友達との飲み会など、外なので暑いはずなのに、楽しくて暑さどころじゃない!ってなりますよね?
“暑いことは暑いんだけど、それを忘れるくらい楽しもう!”
それが「納涼」のコンセプトです。
とっても夏らしい、素敵な考え方ですよね!
では、それを踏まえて「納涼会」で何をするのかというと、花火大会や怪談、夜店がたくさん出るお祭り、バーベキューなど、とにかく暑さを忘れちゃうくらい楽しいことをやるのであれば、何でもいいんです!
暑さを忘れる!がコンセプトなので、「納涼会」という名前のつく催しは、7月から8月の期間に行われることが多いようです。
ですが、同じような時期にもうひとつ、よく行われているものがあります。
それは、「暑気払い」です。
「納涼会」も「暑気払い」も、だいたい暑い頃に集まって飲み会をしたりご飯を食べたり、というものが多いですよね。
二つのちがいってあるのでしょうか?
納涼会と暑気払いのちがいはなに?
納涼会と同じく、夏に行われる「暑気払い」。
これって結局同じじゃないの?と思われがちですが、“夏の暑さを楽しいことで忘れよう!”という納涼会とは、ちょっと目的がちがうんです。
暑気払いは”暑さを打ち払う“という意味で、“冷たいものを食べ、冷たい飲み物で体を冷やして、夏の暑さを乗り越えよう!”といった主旨のもの。
暑気払いは、今では納涼会同様、飲み会や宴会が主流となっていますよね。
しかし、本来は冷たい食べ物や飲み物だけでなく、漢方を基にした体を冷やす効果のある薬湯なども飲まれていました。
また、暑気払いのための薬や、「直し」というみりんと焼酎を混ぜた、暑気払い用の商品も売られていたようです。
どちらかというと娯楽に近い納涼会とは逆に、健康を主軸に置いて行われていたのが元となっています。
まとめ
今まで何気なく目にしていた納涼という言葉ですが、古来より夏の暑さを工夫して乗り越え、楽しもうとしていた人たちの名残だと思うと、なんだか去年よりも今年の納涼会は素敵なものになりそうな気分がしませんか♪
納涼会という言葉だけ聞くと、何かルールがあるのでは、と足が遠のきがちですが、納涼会は楽しむのがコンセプト!
そう考えて、参加したことのない納涼会にも一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
暑い夏だからこそ、暑さに負けず積極的に外に出て、暑さを忘れるくらい楽しみましょう!