土用の日、といえば土用の丑の日が有名です。
イメージとしては、ウナギを食べる日!でしょうか?
あんまりパッとしたイメージのない土用の日ですが、「土用の日に土いじりをしてはいけない」というのはご存知ですか?
土用の日に土いじりをしてはいけない理由は○○だった!?
土用とは、雑節(1年間を24等分した二十四節季だけでは足りない季節の変化を補助するために考えられた、日本独自のこよみ)のひとつ。
立春(2月4日頃)、立夏(5月6日頃)、立秋(8月7日頃)、立冬(11月7日頃)の年四回の季節の折、その直前の約18日間を「土用」と呼びます。
さて、この土用の日、どうして土いじりをしてはいけないといわれているのでしょうか?
突然ですが、「土公神」という神様をご存知ですか?
「土公神(どくじん・どこうじん)」とは、陰陽道における神様の1人で、土をつかさどっています。
仏教における「堅牢地神」と同体とされ、地域によっては「土公様(どこうさま)」という名前で呼ばれていました。
土だけでなく、かまどの神様でもあります。
この神様は季節によってすみかを移動するといわれており、春はかまどに、夏は門に、秋は井戸に、冬は庭にいるといわれています。
各季節、土公神がいる場所はいじってはいけません。
土公神が怒ってしまい、たたりがあったりするからです。
さて、その土公神ですが、季節の折の直前の約18日間である土用の日は土の中にいます。
そうです!
「土用の日に土をいじってはいけない」のは、「土公神が土に住んでいて、怒らせてしまうから」なんです。
たしかに、ゆっくり土の中で過ごしているのに、すみかを掘り返されたり、いじくられたりすると、良い気分ではないですよね。
土いじり以外にもあった!土用の日にしてはいけないことのまとめ
土用の日は土公神を怒らせないため、土いじりはバツ。
でも、土いじりだけでなく、土用の日は土を動かすこと事体がNGなんです。
つまり、木を植えたり土台工事をしたりするのはもちろんのこと、増改築や地鎮祭などもNGなんです。
さらに、旅行や引っ越しもNGとのこと!
増改築や地鎮祭は土に関わること、といわれると納得できますが、旅行と引っ越しがNGなのはなぜなんでしょうか?
土用の日は時期によって、土用殺方位というものがあります。
これは、すべての人の同じ方位が凶方位(よくない方角)になるという状態のことなんです。
なので、旅行や引っ越しなど、今いる場所から別の方角へ移動することも、土用の日には良くないこととされているんです。
また、大人数で移動すればするほど良くないとのことなので、大人数での旅行や、家族単位での引っ越しは、ますます避けたほうが良さそうです。
さらに、結婚や就職なども土用には適していないといわれています。
つまり、新しいことをはじめるには土用の日は向いていないということなんですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
土用の日といえばウナギ!くらいの感覚でいた人も、土用の日の意外な深みに触れていただけたでしょうか?
神様のご機嫌を損ねないように考えられた「土をいじらない」をはじめとする教えの数々ですが、土用の日は主に、季節の変わり目にあります。
季節の変わり目に何か新しいことをはじめようと忙しくしたり、ちょっとドタバタしちゃったりすると、体調を崩しがちになってしまいますよね…
「季節の変わり目は生活に変化を求めず、なるべくゆっくりしましょう」
ということを、昔の人たちが神様のお名前を借りて、生活に浸透させた結果が、「土用の日のしてはいけないこと」なのかもしれません。
季節が目まぐるしくかわる手前の18日間、今年はゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか?