そろそろ暑い季節が近づいてきました。
夏になるとよく見る風景のうちのひとつに、「打ち水」があります。
熱くなった地面に水をかけると、蒸発とともに熱を一緒に散らしてくれる原理で涼しさを感じるという、地球にも優しい「打ち水」。
ですが、ちゃんと涼しさを感じるためには、ただやみくもに水をまくだけではダメなんです…!
正しい打ち水の仕方はコレ!時間帯や場所を選ぼう!
打ち水を効果的にするには、「時間帯」と「場所」がネックなんです。
まず「時間帯」ですが、打ち水をするのに有効な時間帯は“早朝”と“夕方”です。
早朝は朝、太陽が明るくなるまでの時間帯(5時~8時頃)、夕方は太陽が沈み、完全に暗くなってしまうまでの時間帯(18時~19時頃)が、打ち水には効果的なんです。
つまり、打ち水をするのは「日差しが強くない時間帯」がポイントです!
打ち水は、地面に水をかけることにより、水が蒸発して気化熱がうまれ温度を下げる効果を求めるものです。
さらに、地面を覆った水が地面の温度上昇を抑えるため、空気が動くたびに涼しさが感じられるのです。
なので、日差しが強く、気温も高い状態で打ち水をしても、まさに焼け石に水…
水分はすぐに蒸発してしまい、涼しさ効果はほぼ得られません。
庭木や花壇に水をまくのなら、夕方、日の暮れた時間帯に行うようにすると、打ち水の効果が期待できるのでおすすめです!
打ち水で涼しさを感じるためには、なるべく地面が濡れた状態を維持するのがコツ、というのは分かりました。
次に「場所」ですが、打ち水は“日陰”にまくのがもっとも効果的です。
日陰ですと、せっかくまいた水が日光に照らされすぐに蒸発してしまった…ということもなく、長く効果を得ることができます。
また、日陰になりにくいベランダなどでは、夕方以降、ちょっと日差しが落ち着いた頃に打ち水をすると、より効果が得られます。
窓際にすだれをかけて日差しを柔らかくするのもいいですね。
打ち水が下げてくれる温度は-2℃なんだそうです。
暑い時の2℃って、とってもありがたいですよね…
地球にも優しいこの打ち水、もともとの由来はどのようなものだったのでしょうか?
もともとは神道の心から?打ち水の本当の意味!
暑い気温を下げてくれる打ち水、ずいぶん昔から行われているようなイメージがありますよね。
調べてみると、古代、中世頃には打ち水の文化を記すような文献はなく、安土桃山以降に、茶道の作法のひとつとして、茶庭に打ち水が行われていたことが確認できます。
茶事の際、迎え入れる客の席入り前、中立ち前、退出前の三度にわたって水をまく「三露」は、今でも客を迎える前の心遣いとして、料亭などの玄関先で取り入れているところもありますね。
また、打ち水には茶道よりもさらに古い、神道の考えからきているという説もあります。
神道では水は邪気をはらい場を清める意味をもつため、参道などに水をまくことで邪気をはらっていたのが、やがて店先や玄関先にも応用され、おもてなしの心遣いとして残っていったという説です。
打ち水の由来は諸説あり、はっきりとしたことはあまり判明していません…
ですが、どの説も根底にあるのは「お客さんへの心遣い」なんですね。
打ち水をすることにより、温度が下がるのはもちろん、ホコリなども押さえることができるので、昔からおもてなしのひとつとして重宝されてきたんですね。
まとめ
水をかけるだけで温度を下げ、快適にしてくれる打ち水。
地球にも優しく、おもてなしの心まで備えている、まさに日本らしい生活の知恵です。
水をまいている見た目の涼しさがまた、体感的なものではなく心情的に心地よくさせてくれるのもとっても素敵ですよね。
時間帯と場所を選べば-2℃の効果!ぜひとも一度お試ししてみてください♪