とても残念ですが、闘病の甲斐なく亡くなられた旦那様。
奥様を初めとする遺族や周囲の悲しみは、察するに余りあります。
そんな中、生前お見舞いにいらした方へお返しはどうすれば良いのか。
今回のお話は、お見舞い客に対する返礼のマナーについてです。
御見舞の御礼は死亡したら手紙で返礼
普段から交友範囲が広い旦那様なら、お見舞客も多かったでしょう。
周囲に慕われていた方なら、尚更です。
旦那様の回復を願って、わざわざお見舞いに駆け付けてくれた方々。
願いも空しく、今度は弔問に訪れてくださった方々。
旦那様を亡くされた奥様は、現在悲しみの只中にいらっしゃるでしょう。
その悲しみを共に感じ、昔日の旦那様の遺徳を偲ぶ。
そんなお見舞い客の方々は、きっと心慰められる存在であると思います。
では、皆様に対して、奥様はどんなお礼をするべきでしょうか。
以下は弔事という非日常に関わる、知っておくべき作法の一部です。
通常、お見舞いのお返しは完治して元気になったと言う意味があります。
通院や治療が必要な場合でも退院後はお返しをするのが一般的です。
ただ、入院中や退院後に亡くなられた場合はお返し不要となります。
お見舞いのお返しは弔問の際に頂いたお香典のお香典返しを兼ねます。
つまり、お見舞いのお返しは、お香典返しに含めて行われます。
もちろん、どうしてもお見舞い返しを別に送りたい場合もあるでしょう。
その場合、お見舞いとして頂いた3分の1~半額程の品を用意します。
後に残らない砂糖やお菓子、石鹸などの消耗品が相応しいようです。
また、「流す」という意味から入浴剤やタオルを選ぶのもいいでしょう。
お見舞い返しの書き方はどうしたらいい?
さて、いざお見舞い返しを用意する場合の作法についてです。
まず、お返しの時期は四十九日の法要後に行うのが一般的です。
お香典返しとは別のお見舞いお礼品として行う場合も同様です。
お香典返しの場合、黒白の結び切りの掛け紙を使います。
のしは慶事用の縁起物なので使用しません。
水引は現在、すべて印刷されたものが一般的です。
また、掛け紙や水引は宗教や地方によって若干の違いがあります。
蓮の絵が描かれたものは仏式のみの使用に留めましょう。
神式、キリスト式での使用はマナー違反となります。
通常は水引以外描かれていないものを使用するのが無難です。
また、地方によっては黄白の結び切りの水引が使われます。
主に関西地方や西日本から北陸地方で使用されるようです。
表書きの文字は「志」になります。
関西は「満中陰志」、神式やキリスト式は「偲び草」も使われます。
お見舞いのお礼の場合、弔事包装となります。
通常の包装とは、やや作法が異なりますので注意しましょう。
内掛け(内のし)と外掛け(外のし)があります。
持参する場合は内掛け、発送の際は外掛けが一般的です。
表書きの文字は「御見舞い御礼」となります。
どちらの場合も表書きの下に喪家の姓やフルネームを記入します。
墨色は黒が一般的ですが、最近は薄墨を使う場合もあります。
お香典返しやお見舞いのお礼には、手書き文を添えると丁寧です。
簡潔な文章であっても、より心のこもった印象となるでしょう。
文面は、マナー本などに載った例文を参考にすれば確実です。
また、お香典返しとお見舞いのお礼は、別の品物にします。
まとめ
古い言い回しに「薬石効なく」という言葉があります。
これは、あらゆる治療を尽くしたが効果もなく、と言った意味です。
奥様や周囲の人間の願いや治療も甲斐なく亡くなられた旦那様。
生前に慕われていた方でしたら、その悲しみは更に深いでしょう。
だからせめて、見送る方々への礼は尽くしたいものですね。