お盆の時期、ナスやきゅうりに割り箸を刺して動物に見立てたものを飾る精霊馬。
風物詩のひとつですよね。
最近では、色々と凝ったデザインの精霊馬を作ってSNSにアップする人もいたりして、精霊馬も進化しています。
しかし、精霊馬というもの自体、見たことがない地域の人もいるってご存知でしたか?
実は私も幼少時は精霊馬の存在を知りませんでした!
精霊馬に対しての地域差、これって一体なんでしょうか?
気になったので調べてみました♪
精霊馬って地域によって違いはあるの?
お盆によって精霊馬の飾る時期が変わることもありますが、そもそも精霊馬という風習がない地域もあるんです!
まず、お盆には「迎え盆」と「送り盆」があります。
祖先の霊をお迎えする日が「迎え盆」、お迎えした霊をお送りする日が「送り盆」です。
北海道から中部地域までは、「送り盆(16日)」に精霊馬を飾る地域が多いようです。
関東地方は「迎え盆(13日)」に精霊馬を飾ります。
関東地方よりさらに西の西日本から九州地方にかけては、精霊馬という風習がそもそもなく、精霊舟や精霊流し、地蔵盆などの風習の方が盛んなんです。
私は幼少時は西日本にいたので、精霊馬の存在を知らなかったんですね…
では、そもそも「精霊馬」って一体どういう意味のあるものなの?
次は精霊馬についてちょっと詳しくなりましょう♪
そもそも精霊馬ってなに?
精霊馬(しょうれいうま)とは、きゅうりやナスの夏野菜で馬と牛を模して作ったもののことです。
お盆に精霊(ご先祖様)が私たちのところに帰ってくるとき、この馬や牛に乗ってきていただくように、と馬と牛の形にしているんです。
ちなみに、きゅうりが馬で、ナスが牛です。
きゅうりは細くてしゅっとしているので馬っぽいし、ナスは丸くてぼてっとしたフォルムなので牛…という、意外にも深い意味はなく見た目の問題のようです。
どうしてきゅうりとナスを使うのか、というと、はっきりとしたことは解っていません。
ただ、昔からきゅうりもナスも夏野菜として、お盆の時期にたくさん収穫でき、地域に関わらずどこでも栽培できることから、このふたつの野菜が定着したのでは、といわれています。
さて、このきゅうりの馬とナスの牛ですが、なぜ馬と牛、二種類あるのでしょうか。
これには、ご先祖様が私たちのところに早くお帰りいただくように、行きは足の速い馬に乗り、帰りは足の遅い牛に乗って、ゆっくり帰っていただくようにとの意味があるようです。
そのため、きゅうりの馬は迎え盆に、ナスの牛を贈り盆に使用するのが一般的です。
ですが、「ご先祖様を丁寧にお迎えするために迎え盆は牛を用意して、急いでお帰りいただくために送り盆には馬を用意する」という地域もあるようです。
さてこの精霊馬、基本的な作り方はどんなものなんでしょうか?
本来は割り箸を使うことが多いようですが、割り箸よりももっと手軽なつまようじでの作り方をご紹介します!
用意するもの
きゅうり 一本
ナス 一本
つまようじ 八本
作り方
作り方はいたってシンプル!
きゅうりとナスに、つまようじをそれぞれ四本ずつ、足のポジションに刺すだけ!
きゅうりとナスがきちんと自立するように刺すのがポイントです。
出来上がった精霊馬ですが、飾り方にもきちんときまりがあります。
ご先祖様をお迎えするときは仏壇の方に向け、ご先祖様をお送りするときは仏壇の外に向けるようにしましょう。
ところで、無事にお盆が過ぎ、お役目の終えた精霊馬ですが、処分はどうすればいいのでしょうか?
ご先祖様のためのものなので、そのまま生ゴミに捨ててしまうのはNGです!
昔は海や川に流していましたが、今では海や川に流すこということができませんよね…。
お寺で供養していただくこともできますが、半紙で包んで処分したり、お塩で清めて処分したりと、比較的手軽な方法もあります!
まとめ
お盆の時期、ご先祖様とともに過ごすためにご用意する精霊馬。
見た目も可愛いし、小さいお子様と一緒に作れるシンプルさなのもいいですね!
子どもたちと作った精霊馬でご先祖様をお迎えし、お送りする…
普段は意識しない「ご先祖様」という存在を、精霊馬によって感じることができると、なんだか不思議で嬉しい気分になりますね♪