夜尿症っておねしょのこと?
何が違うのか、ただ呼びかたが違うだけなのか、よく分かりませんよね。
夜寝ている間に、無意識にオシッコをしてしまう。
朝起きたらお布団びっしょり…そこは同じです。
ここでポイントになるのは、年齢なんです。
幼児の時期は、おねしょ。
小さな子供は感覚の発達が未熟なので気がつけないんです。
「うちの子、小学生になったのに…」
この年齢になると夜尿症という名前がつきます。
えっ!病気なの!?って言われると心配になってしまいますよね。
でも安心して下さい、夜尿症はちゃんと治るんです。
夜尿症ってどれくらいの治療期間がかかるの?
親として、深刻に悩んでしまいます。うちの子どうしてって。
平均すると、小学生の低学年で約8%、高学年でも5%は夜尿症の子がいると統計があります。
大人でも夜尿症になってしまう人もいます。
でも、たいていは、学童期の子供に見られる現象です。
「親の育てかたに問題ある!」
「子供の性格が変なんじゃない?」
そんなふうに、心ない言葉を言われたら、ショックで落ち込んでしまいます。
でも、こういう言葉は聞かなかったことにしてくださいね。
だって、間違った考えかただから。
病院で話せば「その人達が言ったことは、全く無関係」と言われるでしょう。
夜尿症の原因って?
夜に溜まる尿の量が多いのが主な原因です。
小学生になったとはいえ、まだカラダは成長途中。
膀胱の機能も、成長途中なんです。
まだ膀胱の容量が小さいこともあり、寝ている間にカラダが冷えてしまうなどすると、なかなか改善しないのです。
夕方以降の水分を最低限にする
子供は眠る時間が早いです。
早く寝るよう勧めるのは、親として普通のことですよね。
夕方以降に水分をたくさん飲んでしまうと、その水分は寝ている間に溜まっていきます。
寝る前の水分は計画的に取らせましょう。
寝る前に必ずトイレに行かせる
これは家庭でもできます。
トイレに行った後まだ起きているようなら、もう一度トイレに行くようにしてみましょう。
眠りが深い
夜中に目が覚めてトイレに行く子もいるのに…そう深く考えないで下さいね。
子供が尿意を感じても覚醒しないのは眠りが深いから。
子供の睡眠が深いのは正常です。
眠りが深くなっていて、まだ発達途中の膀胱がいっぱいになっても気付けないのです。
どれくらいがいっぱいの量なの?
大人なら500mlと言われています。
でも正直なところ、そこまでになると我慢の限界。
小学生3年生以上だと、たった250mlしかないんです。
小学生でも1~2年生なら150ml程度だけ。
だから、あっさりといっぱいになってしまうんです。
寝る前にはトイレでしっかり尿を出しきるように子供と話してみましょう。
心理的ストレス
急に夜尿が始まった時には、心理的なストレスを疑ってみましょう。
子供もストレスを抱えます。
大人は大人の社会でストレスを抱えがちですよね。
子供には、子供の社会があるんです。
学校のこと、友達とのこと…いろいろ考えていたりします。
脳の中で自律神経を調整している場所、その部分は、感情や情緒のバランスもとっています。
だから、自律神経とも深く関わっている場所なんです。
強いストレスを感じると自律神経がバランスを崩してしまうのは、大人も子供も同じ。
子供の場合は、ストレスって意識が薄いぶん、それが夜尿症に繋がってしまうことも。
膀胱や腎臓の異常
頻度は多くないですが、カラダに異常が起きてるサインであることも。
この場合には、夜尿症だけではなく、昼間もパンツがちょっと濡れています。
そう、もれちゃってるんです。
小学生にもなれば、子供も、恥ずかしい気持ちからなかなか親に言えません。
夜尿症?病気??と感じた時には、昼間はいていたパンツの状態もコッソリ確認してみましょう。
夜尿症の治療って何をするの!?
夜尿症の多くは自然に治ることも多いです。
それでも子供にとっては大事件。
自信喪失、メンタルに大打撃。
生活面や社会面でもいろいろな影響を起こすことがあります。
こういったことがさらにストレスになってしまい、夜尿症が治らない悪循環に…
自然に治る場合が多いけれど、時間がかかるぶん、子供のストレスになりやすいんです。
自然に治した場合と、治療を受けて治した場合では、圧倒的に治療の方が早く治っているとの
統計もあります。
アラーム療法
パンツに水分を感知する、アラームをつけておきます。
そのアラームの音で、子供が自分で気をつけている間に、睡眠中に収縮していた膀胱が
大きくなってくと言われています。
アラームで起こしてトイレ、ではなく、睡眠中に、尿が出てしまうことを抑制していく
訓練の治療方法です。
カウンセリング・生活指導
夜尿症のタイプにより、生活リズムを見直していく治療法です。
塩分や水分の摂取時間を見直す、寝る前にトイレで尿をしっかり出しきるなど、親が話すのと、病院でお話しされるのとでは、子供の受け取り方も、変わったりするものです。
この治療が合っていれば、数ヶ月で約2割治る方向になるそうです。
残りの8割も根気良く続けていきましょう。
お薬で治療
生活リズム見直し方法やカウンセリングが合わない場合、お薬で治療を行います。
夜尿症での尿の量が多い場合にも、お薬での治療が優先されやすいそうです。
子供に薬って聞くと、不安になってしまう人も多いですよね。
でも薬イコール毒、ではありません。
子供に使われる薬は、病院でも、様々なことに注意しながら、しっかり考えて処方されます。
自分でも、どのような薬が処方されたのか調べてみると安心できますよ。
使われるのは、抗利尿ホルモン薬を内服か、点鼻(鼻の中にスプレー)、そういった薬を使うそうです。
この方法で、7割から8割は改善するとのこと。
膀胱の容量が小さすぎる場合は、抗コリン剤などを使うことで、約3割の改善が見られるそうです。
その子の夜尿症のタイプによって治療法も変わるのですね。
まとめ
いかがでしたか?
夜尿症は治るんです。
もし悩んでいるなら、安易に相談せず、病院で相談してみましょう。
夜尿症は親子で治すものです。
毎日記録をつけてみると、子供の経過がつかみやすくなります。
子供の夜尿が、夜中だったのが朝方になるだけでも全く違います。
夜尿症があったか、なかったか、そんな単純な分けかたではなく、記録をつけてみると、
もっといろいろと見えるようになりますよ。
夜尿症を治すのは、数日ではなく数年、の意識を持って、根気よく続けていきましょう。
子供も言わないだけで悩んでいます。
怒らずに、子供と協力して明るくがんばってみましょう。
明るく一緒に過ごすことで、子供のメンタルを守ることにもつながります。
夜尿症を治すのは持久走と同じく、粘り強さが必要です。