お母さんが頑張って自力で巣を作り、その巣に子供を産んでお世話するツバメ。
ツバメは一軒家の軒下や、駅の出入り口付近などに巣を作ることも、しばしばあります。
そんなツバメがいつから巣を作り、またいつヒナたちは巣立っていくのか、そんなツバメの生態について、ご紹介します。
ツバメの巣立ちの時期はいつ?いつから巣を作る?
ツバメは常に暖かい地方を求めて飛び回っています。
春になり徐々に暖かくなってくる4月頃から、日本列島南側の地域から順に巣作りをはじめていきます。
ツバメが一度場所を決め、巣を作り始めると、1週間ほどで巣が完成します。
そこにツバメのメスが卵を産み、約2週間の間、卵を温め続け、ヒナが生まれます。
それから毎日、お母さんツバメは餌を取りに行ってはヒナたちにあげて、ヒナのお世話をします。
ヒナは成長したら巣立っていくのですが、なんとヒナが生まれてから巣立つまでの期間は約20日と言われています。
とても短いですね。
また、ツバメが日本列島に来るのは年に2回ほどだと言います。
1回目はさきほど紹介したように、4月に巣作りを開始(1週間)→ヒナが卵から孵化(2週間)→ヒナが成長し巣立つ(3週間)という、4月に来て5~6月頃に巣立つ場合です。
2回目は、7月に巣作りを開始し、同じ工程を経て、8~9月頃に巣立つ場合です。
なお、南から北へと縦に長い日本列島では、暖かくなる時期も違うので、気候に合わせて、ツバメが飛んでくる時期に地域差が生じます。
ツバメは巣立ちしたらどこへ行くの?来年も戻ってくるの?
先に、ツバメが巣を作ってから約6週間で巣立つと書きましたが、巣立ったあと、ツバメはどこに行くのでしょうか。
まず、巣立ってから10日間ほどは、巣の近くの電線などに止まっていることがあります。
今まで親ツバメから餌をもらいながら生活をしていたので、まだ餌の取り方を身につけていないからです。
巣から飛び立ったあとも、数日間は親ツバメに餌をもらいながら生活するのです。
その後、ある程度餌も自分で確保できるようになると、同じ頃に巣立ったツバメたちは集団で生活をします。
その集団の中には、数羽だけ大人のツバメが混ざり、まだ餌を上手く取れないツバメを探しては、餌の取り方などを教えます。
すべてのツバメが自分自身で、ある程度餌を確保できるようになった頃にはもう秋。
日本列島も徐々に寒くなっていきます。
そこで再び、南側の暖かい地方を目指しながら、旅立っていくのです。
また、ツバメには面白い性質があり、ツバメ自身が育った環境で、大人になったツバメが子育てをするという説もあります。
必ず同じ巣に戻ってくるわけではありませんが、約半数、4割ほどのツバメが同じふるさとへ戻ってくるというデータもあります。
同じふるさとへ戻ってきたツバメたちは、前年の巣が残っていれば、その巣を利用してまたヒナを生むことも多いようです。
そのため、一軒家の軒先や駅などに作られたツバメの巣も、できれば残しておいたほうが、ツバメも嬉しいかもしれませんね。
巣が冬の間に少し壊れてしまったとしても、春になればツバメは自力で巣を修理・補強しますので、あまり手を触れずに、そっと残しておいてあげましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
ピイピイと可愛い声で鳴いていたヒナも、人間で言う「幼稚園」や「学校」のように、集団生活の中でさまざまなことを学びながら、大人になり、また翌年戻ってきます。
そう考えると、たとえ小さな鳥であっても、その一生にはドラマがあり、愛着も湧きますね。
鳥たちにとっても住みやすい環境を整えるために、みなさんもツバメの巣を見かけたら、決して触らず、邪魔だからと捨ててしまうことなく、翌年もまた安心して帰って来られるようにしてあげましょう。
動物との共存社会を作ってあげるのも、人間の大切な役目だと思います。