痩せようと思っても、無理なダイエットはしたくないし、おいしいものはやっぱり食べたい!
そんな時に目にした「味噌汁ダイエット」
超簡単だけど、本当に効果あるのかしら?
味噌汁は日本人の朝食の定番の「付け合せ」ですね。
でも最近の女性の朝食は、「パン党」や「フレーク党」が増加して、或いは炭水化物ダイエットの認知度が上がったせいか「ごはん党」が減少して、味噌汁を作って朝食をとる機会も減っているのが現実。
このダイエット法は味噌業界が発信したのか――――ッと思うほどですが、
その真意とは?
その効果とは?
徹底究明いたします。
朝は味噌汁だけにすると瘦せる理由とは?
味噌やみそ汁にはダイエットに役立つ栄養素を豊富に含んでいるのですが、なぜ朝食時に摂るのが良いのでしょうか?
よく言われることですが、ヒトの脳は朝食をとらないとブドウ糖が不足して活性化が鈍るのです。また、朝食を抜くと、不足した栄養素をため込もうとして、その後の食事で養分が過剰に吸収しやすくなり、ダイエットには逆効果とも言われていますね。
そこで、朝食時に先ず味噌汁をシッカリと飲むと、大豆の持つ炭水化物から発酵によって作られた良質のブドウ糖が吸収されて、脳も活性化するというわけです。
つまり糖分(ブドウ糖)の過剰摂取が抑制されるわけです。
また、朝食をみそ汁だけにするということは、コメやパンなどの炭水化物、目玉焼きやサラダドレッシングなどに使われる油の脂肪分をとらないということなので、「糖質」と「脂質」の吸収が抑制されます。
さらに味噌汁に含まれる大豆の持つ燃焼系アミノ酸などのダイエット成分や、温かいみそ汁で内臓の温度が上昇して代謝力がアップし、結果、「痩せる」と言うことに繋がるのです。
朝は味噌汁だけにする事で体に与える影響は?
朝食として味噌汁をタップリ飲むだけにするダイエットと言っても、液体ですから量には限度があります。
また、味噌には「塩分」も多く含まれているので、濃い味噌汁を何杯も飲んでしまうと1日の必要塩分量を朝食だけで超えてしまい、高血圧症を誘発する可能性もありますから要注意です。
さらに、満腹中枢への刺激が弱く、みそ汁だけだと腹持ちも長くないので、当然すぐに空腹感が襲ってきます。
朝はみそ汁だけにしたから、昼食はガッツリなんてことになったら、逆効果!
つまり「朝食はみそ汁だけ」は「1食抜く」ダイエットと同じなので、急激に減量効果が現れる可能性がありますが、減量達成して普通の食事パターンに戻したら過剰摂取で逆戻りなんて言う「リバウンド」も心配です。
また、いくら健康成分を多く含んでいるとは言っても、総量では1日の必要量を摂取できません。朝の便通に大切な食物繊維も不足しがちになりますね。
ではどうしたらいいかというと
ポイントは【具沢山】
味噌汁を味噌だけで飲む人は極めて少ないと思いますが、肝心なのは「出汁」と「具材」。
味噌の量は少し控えめにして、出汁で味を調え、大きめに切った野菜や海草、キノコ類や貝類といった低カロリーの具材をタップリ入れて、具沢山にして食するようにしましょう。
具沢山にすることで、腹持ちも改善され、満腹中枢も刺激してくれますし、何よりみそ汁だけでは量的に不足する栄養素を補てんしてくれますから。
出汁は、昆布だし、炒り子だし、シイタケだし何でも良いです。
面倒臭がり屋さんは、市販の出汁で十分です。
ただし、化学調味料は控えることをお勧めします。
筆者のおすすめ具材のベストエイトは次のとおりです。
①豆腐
当然豆腐から作られていますし、味噌との相性は抜群!片目の豆腐がベストです。
②海草類
わかめ、とろろ昆布、あかもく、あおさ、ふのり、寒天、もずく…何でもOKです。
③キノコ類
シメジ、えのき、椎茸、なめこ、ふくろたけ、平茸、舞茸…
これも何でも良いですが、食べやすい大きさに解しましょう。
④葉物野菜
長葱、玉葱、ホウレンソウ、小松菜、白菜、キャベツ、京菜…
何でもOKですが、ホウレンソウや小松菜などは予め茹でておき、小分けして冷凍しておけば便利です。あまり煮過ぎないのがコツです。
⑤根菜
ごぼう、人参、大根、ジャガイモ、カボチャ、里芋、コンニャクなど
ごぼうは予め茹でて、灰汁を取っておきましょう。冷凍も大丈夫。
ジャガイモは一度水にさらしてから入れます。貴重なエネルギー源!
⑥貝類
特にお酒飲みには“しじみ”がベスト。あさりやハマグリは定番。
年に一度の楽しみで、帆立、カキ、アワビ、サザエなどの高級品も!
最近出回ってきたカメノテも良い出汁が出て捨て難いです。
貝には葉物野菜は基本合いませんが、小ネギやワケギのみじん切りや三つ葉は合います。
海草類もOK。
⑦魚のあら
ブリや鮭の“あら”なら安く手に入りますね。
鯛のあら汁なんて最高です。
⑧つみれ
イワシや鶏のミンチを団子にしたもの。野菜とよく合います。
油揚げや肉類も普段なら良い具材ですが、脂質や動物性タンパク質を取ることになるので、ダイエットには不向きですね。
どうしてもという場合には、豚汁のようにして、他の具材も一緒にして作るのが良いでしょう。
そもそも味噌汁にはどんな健康成分が?

大豆には、次のような健康維持に重要な成分が多く含まれています。
①大豆イソフラボン
これは皆様良くご存じの成分で、ポリフェノールの一種です。
女性ホルモンで知られるエステロゲンとよく似た作用を持ち、エステロゲンが不足(生理不順や更年期障害、骨粗しょう症に繋がる。)すると補い、過剰(乳がんのおそれ)になると更年期障害や乳がんの抑制効果があると言われています。
②大豆サポニン
小腸に作用し養分の吸収を正常にし、便通を良くする効果があり、これがダイエットにも効果があると言われる所以です。
また、体内脂肪の代謝促進、血中コレステロールの低減や血栓の予防効果に加え、抗酸化作用を強力に補助する機能も注目されており、肝機能改善が期待できる成分の一つです。
③大豆たんぱく質
大豆の主役です。植物性たんぱく質で低カロリーだけでなく、必須アミノ酸を多く、しかもバランス良く含み、その組み合わせが動物性タンパク質に似ていることから、「豆の王」とか「畑の肉」とか、最近では「ソイミート」とも呼ばれています。
肉の代用品として「大豆加工肉」がベジタリアンに人気で、ダイエット食品の代表格として扱われる理由がここにあります。
タンパク質はアミノ酸で構成されており、魚・肉類のアミノ酸スコアを100とした大豆のスコアは、実に86もあり、他の穀物やナッツ類が最高でも65であることに比べて、たんぱく質含有量がずば抜けているんです。
しかも、体内では作られることがない必須アミノ酸で、今話題のBCAAと言われるバリン、ロイシン、イソロイシンやリジンなどの、「燃焼系アミノ酸」を多く含んでいます。
④大豆レシチン
アンチエイジング成分ですね。細胞の保水力を保つ働きがあり、コレステロールの吸収を抑える作用もあり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞を予防する効果が期待できます。
⑤リノール酸
特に、味噌の発酵過程で分解され、遊離リノール酸となって、メラニンの合成を抑制して、シミの予防に役立つと言われています。
その他にも、豊富なビタミン(B群、E、K、葉酸、パントテン酸など)やバランスの良いミネラル(カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛、鉄など)と食物繊維を含んでいます。
この大豆を発酵させて作られるのが「味噌」
従って、味噌は発酵食品ですから、大豆のままよりもアミノ酸やビタミン・ミネラルの含有量が増加し、整腸作用や抗酸化作用が高まります。
正にスーパーフードと言えるでしょう。
しかも平安時代から親しまれているこの味噌の乳酸菌は、日本人の腸との相性も良く、善玉菌を増加させる働きがあり、腸内環境を改善するのに最適なのです。
これらが、健康維持やダイエットに効果的な食品として味噌が扱われる所以で、日本人にとって味噌汁は最も手軽に味噌を食する料理だと言えますね。
最後に
出勤準備で忙しい朝に、みそ汁だけで朝食をすます。
ついでにダイエットができるって、一石二鳥のような気がしますが、実は具沢山でないと体には良くないのです。
しかも具沢山となると、調理に時間がかかり、結局インスタントで済ませるなんてことになりかねません。
そこで、前日夜での作り置きをお勧めします。
前日夜に調理しておいて、一度火を通しておき、朝、再度火を入れて食します。これなら、毎朝、具沢山の味噌汁が飲めますね。
冬場は良いですが、夏場は傷みやすいので、みそ汁の作り置きは密封容器かジプロックなどの密封袋に入れて冷凍保存してください。
大切なことは、ダイエットのための味噌汁だけ朝食を無理なく続けるならば、「具沢山の味噌汁でお願いします。」と言うことです。